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ホストとして成功するためには、忘れられないおもてなしが欠かせません。ほっと安らげる居場所をゲストに用意できれば、体験のクチコミが広まる確率が高まり、もしかしたら好意的な5つ星レビューも集まるかもしれません。成功に王道なし。どんなに成績優秀なホストも体験1回1回、ゲスト一人ひとりが成功の鍵を握っているのです。
活躍中のホストのみなさまを見回すと、ゲストに居場所をつくることがおもてなしなのだということがよくわかります。それぞれ共通して体験の各段階ごとにゲストが感じる心の動きをじっくり時間をかけて考えているのです。おもてなし上手なホストがゲストの中に呼び起こしたいと考えるのはどんな感情だと思いますか?おもてなし上手と長く記憶に留めてもらうために欠かせない次の4つの感情です。
- 安心感
- 認識
- 歓迎
- 特別な気持ち
ゲストの緊張をたちまちほぐし、5つ星体験に誘う基本を以下に詳しく見ていきましょう。
安心感
早い段階で安心を実感できるようにする。人気ホストはまずこの基本からはじめます。特に新しいことや慣れない環境に初挑戦の人には格別の注意を払いましょう!前日になったら全員にメッセージを送って、疑問や不安がないか確かめてみます。こうすればホストへの信頼の土台ができます。「待ち合わせ場所の目印は何ですか?」、「もしどうしても見つからない場合どうすればいいですか?」、「準備や持参が必要なアイテムは何ですか?」といった疑問は事前に解消しておく方が何かと安心です。
1にプラン、2にプラン、3、4がなくて5にプラン:体験実施前に想定外のハプニングやトラブルが起きるシナリオをありったけ考えておきましょう。当初の予定と少しでも食い違うところがあればどうするのか、具体的な対策と行動プランを練っておくのです。そうすればいざ起こったときにも慌てず騒がず即座に対応できます。
基本的なニーズに答える:ゲストが一番に知りたいのは基本的なニーズが満たされているかということです。要所要所で案内できれば体験全体の印象がアップし、信頼感と安心感を高めることができます。ちょっとしたことですが、トイレの場所がどこか教えたり、疲れが見える人には少し休憩をすすめたり、喉が渇いたりお腹が空いた頃合いを見てドリンクやスナックをすすめたり、先回りすることがポイント。安全に配慮した体験づくりのヒントもぜひご参照ください。
認識
ゲストの名前は前もって覚えておく:少人数の方が簡単になりますが、事前に名前を覚える努力をするとしないのとでは、ゲストの受ける印象はまったく違います。名前で呼んでもらえるとそれだけで認められた気がしてうれしいものですので、できるだけがんばって覚えましょう。
時間がなくて事前に全員の名前を覚えられない場合は、Airbnbプロフィールから顔写真と名前、出発地など頭に入れておきたい情報を拾って印刷し、カンニングシートを用意しておきます。
どんな肩書きの人かも覚えておく:名前と並んで覚えておきたいのがこちら。プロフィールから略歴を少しだけ頭に入れておき、会ったときに触れると、ゲストは大切にされている気分になります。
ゲストはお互いに交流の糸口を求めています。一人ひとり名前で呼びながら紹介し、共通点があればそこをクローズアップして間をとりもってあげましょう。そのときにプロフィールで得た情報をさりげなく散りばめれば効果てきめんです。もしかしたらそこから一生の友情が芽生えるかもしれませんよ。
歓迎
ゲストは友達のように迎え入れ、接する:初対面のゲストに会うときには、昔の友達に久しぶりに会うときをイメージして接すると、ちょうどいいトーンになるでしょう。大きな笑顔で迎え、あとは相手に合わせて歓迎のジェスチャーをしてみましょう(握手、ハイタッチ、ほっぺたにチュッと音だけ出してキスするふりをする、など)。
おもてなしは会話であって、独り言ではありません!自分だけ一方的話し続けるのではなく、ゲストからも上手に言葉を引き出し、友達みたいに会話のキャッチボールを楽しみましょうね。
グループの一員である一体感をつくる:少人数のグループは、ゲスト同士の距離もすぐ縮まるのがメリットです!最初にゲスト同士がお互いに打ち解けられるような自己紹介の方法などを用意し、初対面のカチコチした緊張感をほぐしましょう。たとえば全員が円陣になってお互いに質問し合うのも、簡単にできるよい方法のひとつです。そして、ホストが一緒に質疑に参加しても、もちろんOKです!質問のサンプルを以下にご紹介しますが、そこほかにも体験に関連のあるを自由に盛り込んでみるのもよいでしょう。
- 体験で何を得たいと思っていますか?(What do you hope to get out of this experience?)
- 出身地に関する驚きのトリビアをひとつ教えてください(What’s one surprising fact about your hometown?)
- 今日一番感謝していることは?(What are you most grateful for today?)
特別な気持ち
気配りは平等に:思いやりの心を伝える上で効果を発揮するのがボディランゲージです。ゲスト一人ひとりの目を見て話し、なるべく全員平等に声をかけるようにしましょう。声をかけるときにはしっかり相手に向き合うことも大事な点です。
引っ込み思案のゲストには、周囲に溶け込めるように少し背中を押してあげる気遣いが必要なこともありますが、あんまり無理に溶け込ませようとすると嫌がられることもありますので、無理強いにならない程度に留める気遣いも必要です。
ゲストに新しい自分を発見するきっかけを与える:マジカルな体験とは、普段と違う別世界に1日旅して、ずっと夢見ていた自分になれる体験ともいえます。「いつもは会計管理のお仕事。でも今日この体験の間だけは、世界を駆ける探検家、すし職人、あるいは野外フォトグラファーになれる」という非日常をゲストは求めています。
初挑戦で緊張気味のゲストもたくさんいますので、自分が初めてトライしたときのことを話すと、「人間誰しも最初は初挑戦なのだなあ」と緊張をほぐし、新しい可能性に踏み出す勇気を与えることができます。
サプライズとお楽しみを用意:予想外の趣向やギフトがあると特別な気分がまたまたアップします。ユニークなお土産を用意したり、お気に入りのスポットの案内ガイドを刷り出して配ったり、ポラロイド写真をゲストと一緒に撮ったり、予定コースにないところに寄り道したり、ひと工夫加えてみましょう。
以上いかがでしたか? 中には「そんなの常識」と思われることも含まれているかもしれませんが、体験中はなにしろ予定どおりに実施することばかりに気を取られて、おもてなしがつい後回しになってしまいがち。それが普通ですし、それで全然大丈夫ですので、気配りはできる範囲で努力しましょう!
以下の演習「ゲストの旅」では、おもてなしの原則を時系列に追って実践する際に役立ちます。安心感、歓迎、パーソナライズされた思い出の演出を予約段階から終了後まで各段階ごとに考え、最高のおもてなしの具体的な実践方法をまとめてみましょう。
体験前
- 事前のゲスト対応のシーンを全部書き出してください。それぞれのシーンで4原則を実践するには何が必要ですか?
集合・自己紹介
- 初対面の時点からホストに安心感をもってもらい、ゲスト同士の安心感を高めるために、どんなことができると思いますか?
体験内容に参加中 – 注:ゲストの旅はここが正念場!
- ゲスト全員が同じことをする場合、各ゲストの個性的な視点やアプローチを認める気持ちを、どうしたら伝えることができると思いますか?
エンディング
- 体験が終了して会場を後にするときゲストに感じてもらいたい感情をひとつあげるとするならそれは何ですか?その感情を生むためにできることは?
体験後
- 終わってからのお礼はどんな風に進めますか? 一緒に過ごした思い出の瞬間を振り返る何か楽しいアプローチはありますか?
注: 本稿はホストのみなさまから集まった成功体験をベースにまとめたヒントの一例に過ぎず、おもてなし上手なホストになるための唯一絶対の法則ではありません。おもてなしのアプローチはほかにいくらでもありますし、ゲストが安全&快適に体験を楽しめるのであればその体験は大成功といえます。
「人間は人に言われたことは忘れてしまう。だが、感じたことは忘れない」 – カール・W.・ビーナー